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花模様/専慶流 ●2022年5月1日発行/専慶流いけばな眞樹会主宰・西阪慶眞
 
雲龍柳ー西阪慶眞作

●「水揚げ必須、水切りを!」

ポイント 
 先月にもこのページで紹介した差し口のちいさな花器。写真では見えにくいが中央部に直径2 センチの小さな挿し口が設けられている。
その小さな口にもかかわらず多くの素材が使ってあり、口を意識させないのがこの花器の面白さで、ここにトリックが。そうです、太い雲龍柳の茎は外にあり、細い枝のサクランボウ、ジャーマンアイリスだけを口に挿して水の補給をしている。
このように造形志向のいけばなでは発想力がモノを云う。

 

●花材/

雲龍柳、さくらんぼう、ジャーマンアイリスじ、さ

●花器/

創作花器

●花材/

ツツジ、ダンチク

●花器/

壺形竹器


ポイント 
 流れた枝をダイナミックに下垂…
これが投入の醍醐味。
ツツジは塊でいけると個性を引き
出せるが「動きある塊」がポイン
ト。

水揚げ 水切りで対応します。




繊細な網籠

 
日本産石南花日本石楠花

私利私欲の解放

 万物に分け隔てなく与えられる24時間と云う時の流れ
は規則正しく、どの様な状況にあっても止まら無い、誰
にも止めることはできない。ただ、刻まれる時は止めら
れなくても、目の前に有るさまざまな現実に対して何も
出来ないわけではない、例え微々たる力であっても、私
達に出来ることは必ず有るはず…。
 2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、
今なお全く終息が見え無いまま続いている。連日報道さ
れるウクライナの様々な地域での現状、誰もが画像を通
してその凄惨な光景を目にしない日は無いだろう。少し
前までそこに在った緑豊かな美しい国が、街並みが今は
見る影もなく、まるで生気を失なった、全てが色を失っ
た世界がそこに広がる姿を目にする度、それが映画やド
ラマではなく、確かにそこには私達と同じ様に何気ない
日々の生活を送っていた人々が居たことを思えば、突然
奪われた日常、悲惨な別れ…ただただ胸が苦しくなる。
 歴史上に戦や戦争と云う史実の無い国は無いのだろう。
ある意味平凡な日常が当たり前の生活を送る私達は、歴
史を遡れば何度と無く繰り返されてきたその凄惨な場面
を他人事のようにしか想像できない。現実に戦争を体験
してきた人々にとっての戦争と、史実として見聞きする
戦争には、大きな隔たりがある。これは仕方の無いこと。
そう、どんな情報を得ようと体験には及ばないからだ。
だからこそ、昔の話ではなく、現代文明の中で今起きて
しまったウクライナのこの現実を、遠くの国の話ではな
く我が身に置き換えて少しでも考えてみるべきなのでは。
他人事と避けるので

はなく、少しでも事実を知ろうとする努力は必要、何故な
ら、体験せずに済むに超したことはなく、自身で見聞きした
情報、机上の知識でも何でも良い、大勢を前にしても、どん
なに細やかでも、一人一人の切なる思いが何らかの形で戦
争回避への道を探るための糧となると信じたい。お互いに
ただひとつの命を与えられた人と人との争い、それぞれが
自身の身近な人々への思い、相手を尊重し合い、認め合い…
理想論だと言われるだろうか。しかし、戦争も平和も元を正
せば全て人の思いに依るものでは…。
 他者の事はさておき、自分だけ良ければ…、自分だけ無事
であれば…、慌ただしく、ストレス社会と呼ばれる現代社会
に生きているから仕方がない無い!と見て見ぬ振りで現実
から回避…で良いのだろうか。今一度、自分の大切なものを
守るために今自分に出来ること、自分のすべき事を見直し
てみてはどうだろう。ウクライナが再生し穏やかな日常を
取り戻すのはいつになるのか、要する時間とそれまでの
人々の思いを想像するとこは難しい。ただ、今戦禍の中にあ
る人々にとって、一日も早くこの戦いが終息することを心
より祈り願いたい。私達は、この戦争を他人事と終わらせ
ず、これを機会に改めてこの現実から多くの事を学び、考え
るべきなのでは。
 一向に出口の見えないコロナ禍は、繰り返される感染に
遂に第7波が囁かれ始め、「XE」と呼ばれる新たな変異株
も。接種は自分の為であり、周囲の人の為でもあることを、
未だ回避している人はもう一度考えてみては…。

                華道専慶流 西阪慶眞




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