2003年2月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞      


花材/ゼンマイ、レースフラワー、チューリップ

ポイント くるくる回った形が面白いゼンマイ。形を見せるのですから必ず横向きに扱い、直視的な見せ方を心がけましょう。

ここでは少し本数を多く使い、枝が重複しないように前後左右の長短に気を配りながら、直上的に構成し、力をもたせます。

チューリップ、レースフラワーをゼンマイに溶け込ませるように色を添えます。このとき、ゼンマイの間に如何にうまく潜り込ませるかが作品の良否をわけますので、慎重に入れ込んで下さい。


花材/雪柳、ゴッドセフィアーナ、アネモネ、フリージヤ

ポイント 叉木留めでの生花は通常寸胴を使用しますが、花材とのバランスをみて、投入れの壷に生けることも多々あります。この場合口辺が朝顔形に広がっているものは叉木が止まりにくいので、なるべく真っ直ぐ立ち上がった形を選びます。ここでは叉木を前後に仕込み、控から順に生けています。

雪柳は繊細な枝の動きを捉えます。真っ直ぐな直立不動の枝は曲げて使いますが、やはり自然の美しさにはかないません。従って最初から適度に変化のある素材を優先して、軽快な春のイメージを引き出すのです。


思い入れ

 
 景気低迷で消費が冷めきり、デパートや一般小売店ではその対策に躍起となっている。その一方で元気なのが日曜大工雑貨を扱うホームセンターだ。テレビでの「リフォーム」番組の影響も少なくないが、ちょっとした模様替えは自分の手で…。消費を抑えようとする庶民の防衛策のあらわれだろうか、休日ともなると店内は家族連れでお気に入りの材料を探し求める。壁の張り替え、タイル張り、棚の設置や照明器の増設など、器用な人は給排水工事にまで挑戦する。
 このニーズに応えて店内には女性でも安心して使える小さい電動ノコギリ、カンナ、ドリルなどは勿論のこと、プロ顔負けの道具類や小物までがズラリと並び、見て歩くだけでも愉しくなる。素人にもわかりやすく細部にわたる説明書が添付され「誰にでも出来る」をうたい文句に品揃えの強化をはかる。
 最近買ってみて“これはいける”と感心したものの一つは「生のり付き壁紙」。乾燥のりが施されたものは以前からあったが、生のり付きの利点は水を塗る手間が省けるだけでなく、なんといっても位置合わせが安易で、粘着度も高く、張り合わせ部分の剥離もない。従来からクロス業者はこの生のりを使っているのはいうまでもないが、それならなぜ商品化しなかったのか? それは生ノリが乾燥し、消費者の手に渡る頃にはノリが固まって使いものにならなくなるからだった。生ノリタイプはこの難問に知恵をしぼったものであり、リフォーム志向の高い時代でのアイディア商品の一つと言えよう。模様も豊富で見本帳が用意され品番と必要長さを伝えれば数日後には配達もしてくれる。
 もう一つ紹介しよう。照明器具の一つで、人が近寄ると点灯するというもの。今どき珍しくない商品だが、センサーと器具を一つにまとめ、安価に売り出した点がヒットを呼んでいる。感知範囲が自由に設定できる他、照射時間も任意に決めることができる。電気工事は危険なので素人の配線工事は禁止されているが、この器具はコンセントさえあれば何処にでも即座に設置出来るのが嬉しい。視界を遮る場所に取り付け、防犯効果も期待できる。また、消し忘れがないことから経費節減にもつながる。
 話しは変わるが、ここにきて消費一辺倒から、修理して使おうという気運が高まっている。器機が壊れたからと云って新品を購入する余力がなくなったと云えば少し淋しい気分になるが、モノを大切にする心が再び蘇る契機になれば何より。大型電気店で実施している「五年間保証」はすでにお馴染みのところだが、メーカ保証を超えた期間での修理を約束してくれるのでありがたい。先日来、パソコンの液晶部分に損傷が出て、画面が見づらくなっていた。本来液晶画面は保証対象外になる事が多く、修理はあきらめていたのだが、機会があって店員に尋ねたら修理OKとのこと、本当に助かった。この器機はある人からプレゼントしてもらったモノで、思い入れはひとしおだっただけに修理して再度現役で使えるとは嬉しい限りである。
 修理保証制度は電化製品だけでなく、大きなモノでは新築住宅にも採用されていて、長期にわたりメンテナンスをしてくれる業者も多くなった。こうした補償制度が使い捨てではなくモノを大切にする心に少しでも寄与してくれることを念じてやまない。 

                              華道専慶流 西阪慶眞


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