2000年6月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞



花材/ガマ、夏ハゼ、ひまわり、クジャクソウ

ポイント 開放感と爽やかさをねらった中級向き現代花。全体的に大振りにいけて十分な上下左右の空間を取っているが、直視的扱いで、透き通るような清しさをねらっている。従って前後の張り出しは極力抑えることがポイント。



花材/アガパンサス、夏ハゼ、笹百合

ポイント いかにも涼しげなアガパンサスだが、現代花などでは色彩本位に捉えた扱いをする。ここでは自然調の投入で中央に長く配し、直線的な茎の伸びと夏ハゼの曲線の対比効果をねらっている。配材に笹百合を加え、山間の小径をイメージしていけたもの。

 
人生=愛

 愛は人生であり、人生は愛、愛がすべてであるとさえ思う。では愛とは何者で、なぜ必要なのかを考えてみたい。これはまさに哲学であり、一言ではかたづかないが、要約すれば融和、向上、安らぎ、の3点に絞ることができよう。自分本位であれば融合はありえない。相手を賞賛し、受け入れる心が互いに一致した時、初めて融合感がわく。一粒の種はどこにでも生育するのでなく、その種に適した温度、湿度、土壌が条件であるように、人もその条件が必要となる。融合に成功すれば成長しようとする欲求が生じる。成長するには温室はあまりにもぬるま湯すぎて、個性が出ない。均一化する。成長には個性が備わらなければならない。個性を育てるのもまた愛の力である。      
 社会にあっては良き批判者の逆風の声をどれだけ素直に受け入れられるかにかかっている。詫びる謙虚な心が次のバネとなるからである。向上(成長)にはときめき、心の温度上昇、輝きがともなう。かけがえのない利益を得ることになるが、バブル経済のように崩壊するような見せかけの成長ではない。大地に深くはった根にささえられた成長である。それには年月を必要とするのは当然である。互いに反省し、新しいエネルギーを補給し続ける。冬もあれば夏もある。決して気楽な成長ではないが、必死で苦難に耐えてこそ春の開花となり、待ちこがれた秋の結果と結びつけるのである。
 融合、向上の歩みの先に待ち受けるのが「安らぎ」である。その人の側にいけば一気に心の周波数をアルファ波にしてしまう、緑の森。すべてを許容するおおらかな心がそこに存在する。そお、相手の過ちをも受け入れてしまうほどの大きな愛が実を結ぶ。相手を責めるのでなく、自分に教えられているとプラス思考の見方が出来るようになる。互いがこうした謙虚な心に共感し、生まれた時以上の素直さに出会う機会を得る。
 相手の成功に心から賞賛でき、ときめきをを感じ、成長、輝くことができる、こころ。これこそ無二の愛であり、人生ではないだろうか。その相手に不足なきよう努力するのは当然のお返し。学校に入って数学や、言語を習うが、これは脳の体操や、約束ごとを教わったにすぎない。私の名前を眞一と親は命名したが、大きな病院に行くと番号で呼ばれ、税務署や銀行に行っても同じ。同級生は「バンザイ」のニックネームを使い、仕事では慶眞。私は同じでも、私という記号は随時変動する。生きる上で大切なのはそんな記号や教養だけでない。愛をどのように受けとめ、返すか、うまくキャッチボールして、社会に順応するかである。高等動物にだけに与えられた「脳」をどのように生かすか。すなわち使命感の確立こそ、愛の道(人生)であろう。(次回に続く)

                              華道専慶流 西阪慶眞


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