水揚げ方法
水揚げ方法の具体的解説です。(各植物への対応表はここをクリック下さい) 05.9.26更新

切り戻し 砕く・割る 酢を使う 塩を使う
深水に浸す 折る アルコールを使う 洗剤を入れる
水切り 焼く ハッカ油を使う 延命薬を使う
逆水をうつ 煮沸する 焼き明礬を使う 胴、スズの効果
強制注入 専用器具又はホースで強制的に水又は溶液を注入する。(蓮、河骨、オモダカなど)

切り戻し 根元を数センチ切り、切り口を更新します。この時、切り口断面は広いほど水揚げがよく、なるべく角度をつけて切ると効果があります。とくに木ものなどに適しますが、切り口を縦に割りを入れておく事も大切です。(草ものは割りません)
深水に浸ける 新聞紙などで包んだ後、深い水に浸けて1〜2時間養生します。水圧による水揚げが期待出来ます。ぐったりしたガーベラやバラなどに有効で「水切り」と併用します。
水切り 深い水の中で切ります。斜切りにして、面積を大きくします。水の中で切ると空気が入らず、水圧で水揚げを促進してくれるのです。ほとんどの植物に有効です。草花の傷んだ切り口を更新する際にも必ず水の中で切る習慣をつけましょう。
逆水をうつ 菊やマーガレットなど大きな葉を付ける植物は蒸散作用が大きく、激しく水分を発散しています。逆さまにして水をかけることで発散を抑え元気を回復するのです。花展などでは日に3回程度、葉の裏側に霧吹きをし、管理します。花にはかけないように。
砕く・割る 切り口の断面をさらに広くして水揚げを期待する方法で、クレマチスなどでは欠かせません。また、乳液の出るキキョウなどは切り口に膜が張らないようにする意味があり、水切の後、根を砕くのです。
折る この場合も断面を広くして水揚げを促進させます。菊は鉄気(かなけ)を嫌うとされていて、鋏で切るより、ザックリ折り、表面積を大きくして使う事が理にかなっているのです。
焼く 切り口を殺菌する方法です。新聞紙に上部まで丁寧に包み、新聞紙を濡らしておきます。そして足元2〜3センチをガス火などで炭化するまで焼き、深水に浸けます。ボタン、シャクヤク、紅葉、藤などに効果があります。
煮沸する これも殺菌と膨張効果をねらった水揚げ法で、都忘れ、ブルースターなどに有効です。上記の焼く方法と同じように新聞紙で上まで包み、湯気があたらないようして、80度前後の熱湯に足元2〜3センチを30秒ほど浸け、すぐに深水で養生させます。
酢を使う 殺菌効果があるのでしょう、ダンチク、ススキ、キンメイ竹などには効果抜群です。酢に30秒〜1分ほど浸けます。花器に直接酢を入れてもよろしいが、金属花器には使用出来ません。
アルコールを使う この方法も殺菌効果をねらったもので、アルコール(叉はお酒)に浸します。2〜3分程度でいいでしょう。モジミや藤などは切り口1〜2センチの皮を剥ぎ、根を割ってからアルコールに浸けます。
ハッカ油を使う 切り口を縦に割りを入れ、はっか油に1〜2分浸し、すぐ水につけます。この方法も殺菌と刺激効果で水揚げ促進を期待したもので、以前は花展などでよく見かけた光景です。
焼き明礬を使う 殺菌と刺激効果をねらった水揚げ法。昔はよく使われた水揚げ薬品の一つです。明礬を切り口に擦り込みます。河骨、睡蓮、蓮などに効果があります。
塩を使う 殺菌効果をねらいます。葉ケイトウには欠かせません。切り口に十分擦り込み、水をかけた新聞紙に包んで少しの時間そのまま横に寝かせ、1〜2時間後水に浸けます。また、塩は椿の落下を抑制するのにも使います。濃く溶いた塩水を開花した花芯に箸などで数的落とします。花弁に着くと変色するので注意。
洗剤を入れる
氷を入れる
水の腐敗から守る効果があり、茎を殺菌します。家庭洗剤を花器に少量入れておきます。夏場に効果があるのが氷です。水温を抑えバクテリアの繁殖を抑えます。
延命薬を使う 花店や園芸店で「水揚げ促進薬」が数種販売されています。殺菌薬の他に栄養剤が混入されているようです。難点は経費問題でしょう。
胴、スズの効果 10円硬貨を器に入れておくと花が長持ちすると言われますが、金属作用の効果アップをねらって、表面積に工夫を凝らした商品が販売されています。水の腐敗を抑え、ベストな水質維持をはかるもので、反復利用が出来、経済的。夏場の効果は大です。スズ製品は長澤キャスト「花水幸」、胴製ではコデラエンジニアリングの「延命シート」がお勧めです。私は「花水幸」を常時使っています。

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