●2018年3月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞
●花材/ ブルビネラ、サンデリアーナ、オンシジューム他
●花型/ 生花(現代生花)

 

ポイント 
 近年、草花だけを組み合わせたいけばなは珍しくなくなったが、「生花」様式でも同様で、和洋を問わず、幅広い素材を対象としている。
なかでも今回の作品は同色でまとめた多種挿し生花。組み合わせの注意は、形状、質感が異なるものを選ぶ事で同化が避けられ、独特なグラデーション世界を愉しむ事が可能となる。
ブルビネラ3本を天の部に。同一方向ではなく、自由な表情を捉えます。胴、控にピンポン菊とサンデリアーナを配しボリュームを持たせ、人と地には軽い素材のオンシジューム、スイトピーを。叉木留めを採用している。

いけ方=中央3本のブルビネラから位置を定め、ドラセナサンデリアーナで引き締め、ピンポン菊、を中央部に、オンシジュームで人と裏添えに配し流れを。地はスイトピーで。

集めることで力強い新しい生命を

 
 マッス(マス)は美術用語で集合、塊を意味する。つまり葉や花を寄せ合わせることで生まれる「かたまり」として認識する部分をさす。面とは異なり立体感、質量が生じ、内に空気感を持つ。例えばビルの太い柱はコンクリートで固められている。これをマッスと呼ぶかどうか?。大抵の場合「柱」であり、機能的構造体にすぎない。マッスは美を発信する事が前提である。さらに、いけばなでは生きた植物を使うため「生かす」が最重要。呼吸困難なイメージは避けたい。寄せ集める→美の表現手段に昇華させると新たな世界が見えてくる。

 

●花材/ 沈丁花、カラティア
●花器/ 変形花器


 
 いけばな専慶流/能面 裏庭に咲くポピー

どこにでもあるルール

 先月韓国で開催された冬季オリンピック、多くの人がその勝敗に関わらず、想像を越える選手達のここに至るまでの過程や努力の積み重ねに、心から称賛の拍手を送ったに違いない。ただ、開催まで、開催中にもドーピングや、近隣諸国との外交問題等々…。本来選手達の純粋な技と技の競い会い、神聖なはずのスポーツの祭典にも関わらず、予想通り、多くの疑問符を残す大会となった。
 私達は、スポーツマンシップに則って正々堂々と…と言う宣誓を、子供の頃から運動に関する行事の折りには必ずと言って良いほど子供心にも、ルール違反は決してしてはいけない!と教えられ、学び、互いにそうあるべきだと確かに認識があった。だが、この言葉を耳にした今の子供達、全てとは言わないが「そんなの変!。ルール違反していても、審判が見ていなければOKなんだから…だって、サッカーのイエローカード、レッドカードって、あれもルール違反したからでしょ?他のスポーツだってそんなの沢山あるし…勝てれば良いんだよ」と躊躇うこと無く返してくる。この言葉に、あなたならどんな言葉を返せますか? 「違反は違反、本来してはいけないことなんだよ」と言えば「そんなことは知ってるよ」と返される。そう、認識として善し悪しは解っている上での発言なのだ。では、それに対し反論?同調?きっと答えは個人の持つ価値観で異なるはず。更には都合の良い大人感覚?とでも言えば良いのだろうか、その場の雰囲気、状況等その時々に合わせて判断が変わってしまう事も現実。知っていると言う知識での善し悪しと、現実に対する認識が異なるのだ。相手の反則、誤審には攻撃的になるが、立場変われば両手を挙げて称賛してはいないだろうか。中にはどこかで後ろめたさを感じながらも結果に合わせ同調する人も…。

 物の善し悪し、正誤の基本は昔も今も何も変わっていないはず.しかし、現実ではそれが理想論とさえ言われてしまう。「勝敗ではなく参加することに意義がある」、「勝たなければ意味がない!」どちらの主張にも同調する人は沢山いる。子供なら尚更に無条件に好きな選手、チームが勝つことを願う。しかし、善し悪しの決定が、ひとつ間違えば、大人は嘘つき、大人は信じられない!と声を大にした非難へと変わる。かと言ってそんな話に耳を貸さなければ、或いは、誰かが正し、声に出し続けなければ、人と共に生活する社会の中で、最低限のルールさえも崩壊へと向かうのでは…取り越し苦労だろうか。赤で渡ってはいけない信号でさえ、この状況なら渡れるから…これはルールを無視した一個人の些細な行動?。しかし、同じ感覚で社会が抱える問題も都合の良い曖昧な理由と判断に流され、それを見て見ぬ振りで過ごす事が、やがて取り返しのつかない現実へと、生活が脅かされる事へと繋がって行くのだと言う危機感を大人である私達の誰もが自分の事として今しっかり捉え、そして、躊躇わず堂々と声に出して行くべきだろう。未来を担う子供達を正しく導き躾るために手本となるべきは私達大人。それはそのまま社会全体の姿と重なる。まずは人任せではなく、自身を振り返り正して行かなければ…そして、小さな声を出すことが、やがて地域を、日本を、国際社会を正して行くエネルギーへと変わって行くのだと信じ、願いたいもの。

 

               華道専慶流 西阪慶眞


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