花模様/専慶流 ●2018年1月1日発行/専慶流いけばな眞樹会主宰・西阪慶眞

和と洋の融合

ポイント 
 和洋混在の組み合わせは今日では通常のように行われているものの、実はとても難しいもの。いけばなが秘める素材感などの民族的「こころ」がそこにはあり、組み合わせ次第では火花を散らすことも。和の精神は自由な現代花や小品花であっても基本感情は変わらない。万年青、万両、ハボタン、梅、シダなどは和を代表する素材だが、胡蝶蘭、シンビジューム、デンドロビウム、などとは相性がよく、新しい感じが漂って来る。


近郊で見ることが少なくなったカニシダ。しかし、風通しのよい開けた山間地には今も群生しています。自然の群れをヒントに風が抜ける空間を持たせたマッス状に構成し、そこから吹き出るような感覚でデンドロビウム、カスミソウを。和と洋の力強い合唱をイメージしている。


●花材/ デンドロビウム、カニシダ、
カスミソウウ、
●花器/ 三つ足創作花器
●花材/ 寒ボケ、ドラセナ、ミリオンアスパラ、エリンジューム、スイトピー
●花器/ 青釉変形花器


 奔放な茎の動きを捉える

ポイント 
 ボケは折り撓めを駆使して奔放な茎の動きを引き出します。節々に付いている小さな花芽を落とさないよう節と節の間で慎重に曲げていきます。留めは通常右前に張りますが、ここでは「逆留め」手法で、左前に配し、バランスを取っています。
洋花を配材にしていますが、明るさの中にも落ち着いた風情を継承させています。

水揚げ 水切り。


  寒さに耐える白菜

温めた蕾ふくよかに

 ある番組の中で「最近感動した事は?」と問う、突然の街頭インタビューに対し即答できる人の少なさに驚いた。「感動?何かあったかな?感動する様な事...ないなぁ〜」、「不平不満、欲求...を問われればいくらでもあるけれどね」と応える人が大半を占め、問いに反していかに感動のない日々を送っている人が多いのかに気づかされた。 感動する…どんな事に心動かされるのか、それは個人の持つ感性や価値観、 育った環境等々によって人それぞれであるには違いない。 私の身近でこんな感動の話がある。この話をあなたはどのように思い、捉えるのだろう。
 飛び乗った電車にびっくり!つり革が同じ長さではなく、隣り合うつり革の長さが異なっていた!と興奮。そんなに驚き取り立てる程の事かと思うが、その気遣い、思いやりに感動したと言うのだ。 ようやく指先だけで持ち堪える高さのつり革を持つ時の不安定で、言いようの無い心細さは経験者でなければ理解出来ない。揺れる度に押し合う、ぶつかり合う...ごめんなさいの思いがあっても、避けようにも避けられない。命綱ではないがつり革を死守しなければ、揺れる度に人に不快な思いをさせてしまうのは明らかであり、時には、足を踏んでしまい兼ねない。実際にそれを経験しているだけに、 人様に迷惑をかけたく無い思いが強いのだと言う。何故なら踏むと言 う行為には踏まれる側と、踏む側があり、不可抗力と云えど、どちらの立場も気分は良く無い。まして、仕方の無い事とは云え、踏まれながら、ごめんなさいの一言も無く、揺れたのは自分のせいではないと平然とした態度に出られると、痛み以上に情けなさを感じ、反対の立場での謝罪には、意図的な行為ではないにも関わらず睨まれることもあったのだと。長さが違うだけ、ただそれだけの事に感動するのはそんな経験があり、 その長さに、人への思いやりや気遣いを感じられたからと。

車内では、席を譲る姿など人を思いやる行動を見ても感動するようだ。この感動の話で指摘したいのは、ある意味人として当た り前の行動や、どんな些細な事にも感動し、 感謝すると言う「心の持ち様」そのもの。 
 観光地を訪れ、いつもとは違った様々な自然の姿等に出会う、スポーツ観戦、芸術鑑賞と云った特別な空間や特別な出来事によって、日常には無い感動で心を活性化する事はもちろんだが、身近に有る紅葉に、 枝先の小さな芽や開花した花に、近隣の子供達と交わす言葉に…そんな何気ない風景の中からも感動は生まれる。その日常の感性こそが、人への優しさや思いやりとなり、時には人と人との繋がりを生み出したり、強固なものにしたり...身心共に自然体で誘導、成長させてくれると考えるのだが。 
  慌ただしさを感じながら、間もなくこの一年を終える。メディ アを通して届く感動はほんの僅か、辛さ、怖さ、醜さ等々余りにも心に負荷をかける情報が多い中、自分を守り生きて行く為に、このささやかな「感動」を手に入れる事が心のゆとりを生み出す糧となりうるのかもしれない。そう、何気ない日々の中で叶わぬ大きな変化を求めるよりも、身近に有る心地好 い感動に一つでも多く出会い、心穏やかな時を積み重ねて行く事の方が確かな五感を活かせるのに向いているのでは。

         

                華道専慶流 西阪慶眞


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