いけばな専慶流/タブサンザシ ●2017年12月1日発行/専慶流いけばな真樹会主宰・西阪慶眞

●花材/

キンカン、カニシダ、ガーベラ

●花型/

生花(行の花型)

●線で創る立体空間

 撓めやすい素材だが、棘が鋭いので注意。

ポイント 
 梅みかん類は橙(ダイダイ)に通じ、代々健康で繁盛するように縁起の意味を込めて、正月飾りの祝い素材とします。
キンカンは実が小さく、小品花には最適です。
キンカンを生花様式に生けることは稀ですが、細い茎にたわわに密集する姿は力強く、華やぎ漂います。葉を少し残しているのは新しい葉(若者)が育つ願いから。シダは長寿の意味があり、裏が白い(薄い)ことから、白髪になるまでを表している。
実に感動的な暮らしの文化思想、大切にしたいものです。


●花材/

千両、バラ。

●花型/

盛花 複合型

ポイント 
 いけばなの「線」の存在は強く、その見せ方は多種多様。
●上の作品では茎を撓め、大きなボールを意識した球体を作り、器の三角から吹き出たイメージで構成。線の力は内になるように作り、球体構成に

水揚げ 水切り


 茶畑と柿

感動湧く自分

 頑張る人を見ると、自然に応援したくなる。分野を問わず頑張る姿は健気で美しく、その姿を見るこちらを「頑張ろう!」「頑張らなきゃ!」と前向きにさせる。頑張る姿は人それぞれ、今夏見たオリンピックのアスリート達の様に目標に向かって、結果を求めて自身の限界に挑み続ける姿、今秋のノーベル賞受賞者の化・科学者の様に、結論、結果の見えない不確かな中で果てしない時間をこつこつと積み重ねる姿等は、同じ分野に向かう者達に勇気と力を与えることは間違いない。しかし、メディア発信で受けとめる一般の人はそれらは自分達からかけ離れた特殊な人達に見え、賞賛は出来ても自身の頑張る力には結びつかない…?と受け止めがち。中には、頑張る姿は見えたとしても、敢えて見せる物ではない!と皮肉っぽく捉える者も当然いるだろう。ただ、身の回りを少し違った思いで見れば、そこに沢山の頑張る姿が溢れているのではないだろうか。もっと言い換えるなら、その度合いに差?はあっても、頑張っていない人はいない…と捉えるのが正解だと。子供が学校へ行く事、専業主婦が日々こなす家庭での仕事、当然社会の中で働く人達…誰も彼も、日々の暮らしの中で、与えられた環境の中でそれぞれになすべき事があり、その姿は皆が向き合っている現実に対して頑張っている姿勢そのもの。多くの人は、乳幼児や命ある生き物の成長を見るとき、その成長段階を目にしながら無条件に可愛い!と言う思いになり、自然に笑顔に成る。何故だろう、乳幼児の発達は、年齢が少ない程急激な変化をする。例えば、誕生したばかりの赤ちゃんの一年間を見るとき、その発達の早さはどうだろう。光に反応し、四肢を使い、言葉を発し、やがて歩き…様々な好奇心で周囲と関わって行く姿、その様々な成長の場面場面で、見る側の私達は心の何処かでガンバレ!と応援しているのでは?、無条件で何でもしてあげたいと言う気持ちで見ているのでは?。

乳幼児の日々はそのまま新たな成長への挑戦、頑張る姿そのもの。同じ様に私達も新たな未知の時と向かい合っているのです。ただ、年齢を積み重ねるに連れ、日々の頑張りは、目に見える程明らかではなく、ともすると現代社会の中で多くの負荷を受けとめる事で、頑張っている事を忘れてしまう…。
 ある意味、今生きていると言う現実は、それだけでこの社会の中で頑張っているのだと、時にはオーバーに自分を褒めても良いと思う。それは子供騙しなどではなく、一人の日々頑張る姿が、きっと見ている、感じている誰かの頑張りに繋がって行く貴重な一人の頑張りになり得ると、私は捉えたい。
 気がつけば師走、慌ただしさの中で、この一年何を…と振り返る時を迎えた。オリンピックに湧き、自然の猛威の前に無力さや大きな悲しみを、見苦しい政治の駆け引きや急激な発展の陰で見て見ぬ振りの負荷が現実問題に。政界、経済界、宗教問題等々世界情勢を混乱に導く様々な現実問題、それらの全てが他人事ではなく今を生きている私達自身が背負わされている問題と捉えるべきでしょう。一人一人に何が出来る?ではなく、一つ一つの小さなな頑張りが、自身を元気に奮い立たせてくれる力になり、その姿が周囲の人の頑張りへと連鎖反応する事によって少しずつ大きな力に成って行く。特別ではなくて良い、今自分が穏やかに元気でいる為のほんの少しの頑張りが、周囲の人の元気に繋がる! 
そんな広くておおらかな目配りを胸に、新しい年に立ちたいと思う。

             華道専慶流 西阪慶眞


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花模様  専慶流